IBM Systems Director 6.2.1の導入と注意点
IBMのサーバ製品に同梱されているシステム管理系ソフトである「IBM Systems Director」を仮想化環境で確認してみました。
検証環境は、Phenom2-910e(4core/2.6GHz)、メモリ8GBに、ESXi4.0。そこに、2コア、メモリ4GBのゲストOSをWindows2008R2を導入したうえで、Directorを走らせました。
検証したバージョンは、6.2.1(2011.02.12現在、最新)。
http://www-06.ibm.com/systems/jp/virtualization/systemsdirector/
導入前の事前確認資料となる導入ガイドは、こちら・・・6.2.0版です
http://www-06.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd07.nsf/jtechinfo/SYJ0-042E074
Directorのコンポーネントは以下の3つ。そのうち、エージェントは2種類あります。
・IBM Systems Director Web インターフェース
・IBM Systems Director サーバー
・IBM Systems Director エージェント
-共通エージェント
-プラットフォームエージェント
実際には、”エージェントレス”というモジュールの導入が不要な管理機能もあります。
また、共通エージェントをレベル1。プラットフォームエージェントをレベル2プラットフォームエージェントをレベル1。共通エージェントをレベル2と称し、その管理レベルが分かれています。
レベル1は、主にH/Wの障害検知・通知に特化した限定機能版。
レベル2は、Diretorのフル機能を搭載し、リモート操作も可能。
導入の事前確認はコチラ
IBM Systems Director 6.2 構成チェックガイド
http://www.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd07.nsf/jtechinfo/SYJ0-031C38D
H/WやOSのサポート要件等が確認できます。
製品の最新版は、IBMのサイトからダウンロードできますが、IBM IDが必要です。
注意点は、下記のとおり
・ライセンス:導入対象はIBM製サーバのみ
・UAC:ビルトインAdministrator以外で導入する場合は、UACを無効にすること
・ドメインユーザ使用の際は、サーバのローカルのAdministratorsに追加すること
さらに、注意が必要なのが、導入前のNICの有効/無効設定です。
Director導入時には、Directorの通信に使用するNIC以外は、無効にする必要があり、導入後には変更できないという条件があります。
無効にせねばならないNICには、IMMも含まれます。
また、デバイスドライバは、Windows2008/2008 R2の場合は、OS標準のMS IPMIでOK。
Windows2003の場合は、別途導入が必要です。
サーバ導入に当たっては、32bit版、64bit版があり、OSに応じて選択する必要があります。
導入詳細は、ガイドを参照していただくとして、ガイドには記載していない情報を掲載します。
導入時の注意点としては、管理者アカウントの入力の際のドメイン名。これは、NetBIOS名で入力し、FQDN形式では入力しないことが条件です。
さて、Director6.2.1の導入ですが、どうやら、6.2.0に6.2.1のパッチを一連の作業で導入しているようです。
導入時のアプリケーションの追加と削除画面をキャプチャしてみました。
最初は、6.2.0だったコンポーネントが、6.2.1になります。
まずは、エージェントが導入されます。
次に、サーバ。
サーバが、先に6.2.1にあがります。
Common Agentも6.2.1になりますが、Platform Agentは、6.2.0のままのようです。
Directorの導入には、マシンスペックにもよりますが、共通エージェントで20分弱くらい、Director Serverで、1時間くらい見込んだほうがいいです。
さて、導入後に、管理コンソールであるWebインターフェースを立ち上げるわけですが、Directorの起動には、かなりの時間とメモリを要します。
Directorが使用できるようになるには、13~20分近くかかる場合があるようです。
起動状況は、サービスの開始状態だけではわからず、タスクトレイで確認します。
赤い菱形だと、非アクティブ
緑の三角だと、開始処理中
黄緑の丸で稼動中です。
また、タスクマネージャをみていると、Javaのメモリ使用量が導入直後の状態で900MB以上まで消費されます。
素のWindows2008 R2にDirectorを導入しただけで、メモリ使用量は格段に上がります。
試しに、Directorのサービスを停止してみたところ・・・
先ほどの900MB超のメモリ使用がなくなりました。
ちなみに、このあとでサービスを再開すると、Directorサーバが稼働中になるまで、4,5分かかります。
OS起動直後にWebインターフェースを起動してもDirectorサーバが使用できずにエラーメッセージが出ます。
>ATKMDL001E
>汎用システム管理サービスが必要ですが、使用できません。 管理サーバーからログアウトし、数分してからログインしてください。
あせらずに、20分くらい待ちましょう(できれば待ちたくないですが・・・)
導入されたサービスは、以下のとおり
サービス名 表示名
cimlistener IBM CIM Listener Service
tier1slp IBM SLP Attributes Service
ibmsa IBM SLP SA
dirserver IBM Systems Director server
wmicimserver IBM WMI+A Service
IBMTivoliCommonAgent0 Tivoli Common Agent - 'C:\Program Files (x86)\IBM\Director\agent\runtime\agent'
全サービスは、ログオン:Local System スタートアップ:自動 で、開始です。
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コメント
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ブログを拝見し、疑問がありましたのでコメントします。
以下で言うレベル1に該当するのは、プラットフォームエージェントだと理解しているのですが、
間違っていますでしょうか。
------
また、共通エージェントをレベル1。プラットフォームエージェントをレベル2と称し、その管理レベルが分かれています。
レベル1は、主にH/Wの障害検知・通知に特化した限定機能版。
レベル2は、Diretorのフル機能を搭載し、リモート操作も可能。
------
投稿: あんこ | 2011年8月10日 (水) 16時26分
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、当方の記載内容に誤りがありましたので修正しました。
下記のFAQにもわかりやすく表記されていますね。
http://www-06.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd07.nsf/jtechinfo/SYJ0-0417C0A
投稿: KANEYAN | 2011年8月10日 (水) 23時25分